黒留袖の話
1月の後半から、着物洗いの依頼が増えてきています。
仕事で、着物を着ておられる方や、
「正月に着用して、しばらく使わないので洗っておいてください。」
「孫を抱いていて、肩によだれをつけられて・・・」
「七五三で使ったのですが、やっぱり洗っておいてください。」
と言ってこられるお客様など色々です。
と言う事で、今回は着物の事を書こうと思います。
着物の中での“黒留袖”に的を絞ります。
黒留袖は祝儀のためのフォーマル着物です。
黒地の着物の背中心、両胸、両外袖の
五箇所に日向紋(12月5日の紋の話を参照)を染め抜き、
裾に模様を描いた着物です。
昔、女性が18歳になった時、又は結婚をしたときに
それまでに着ていた振袖の袖を切って
短くしました。この風習を“留袖”と言います。
このように留袖は大人の女性がごく普通に
着る着物を指していたのですが、
十九世紀はじめに、黒地染め抜き日向五つ紋の
江戸褄(えどづま・裾模様)を既婚女性の
式服とする習慣が民間に広がり、以来、
この着物を黒留袖と言い習わしています。
黒留袖の生地はおもに
一越縮緬(ひとこしちりめん・しぼが小さくかたく織った縮緬)
が用いられ共八掛(ともはっかけ・裏地の裾部分が表地と
同じ生地)がついています。
本来は、白羽二重(下着)の着物を重ねて着ていましたが、
近年は、着やすくするために衿や袖口、
振り、衽(おくみ)を二枚重ねしたように仕立てる
比翼仕立て(付け比翼)にします。
黒留袖の文様は、裾だけにありますが
縫い目で模様が途切れない
絵羽模様になっています。
それに、半襟と長襦袢は白を使います。
この黒留袖、着用している時間は長いのですが、
地が黒色なので、汚れが目立ちません。
ですので、洗いが遅れてしまいます。
衿や袖口、裾の比翼の所を見てみて
汚れが目立ってきたら、洗いを考えてください。
高価なものです!きちんとアフターケアをすれば
いつまでも着れるものですよ!
コメントを投稿する
トラックバックURL:http://www.shiminuki-koubou.net/mt/mt-tb.cgi/106
